学位取得

博士学位取得

2019年度
大学院 博士後期課程修了
赤松 大輔 博士(心理学) 2020年3月授与
『英語学習における活用的学習観の機能と形成過程』
2019年度
大学院 博士後期課程修了
後藤 綾文 博士(心理学) 2020年3月授与
『青年期の援助要請にかかわる社会的要因―友人と教師の役割に着目して―』
2019年度
大学院 博士後期課程修了
反中 亜弓 博士(心理学) 2020年3月授与
『青年期のアレキシサイミア傾向が健康面・行動面の問題に与える影響』
2017年度
大学院 博士後期課程修了
解良 優基 博士(心理学) 2018年3月授与
『学業場面における課題価値の機能と 規定因の検討 ―課題価値の多面性に着目して―』
2015年度
大学院 博士学位審査(論文博士)
杉本 英晴 博士(心理学) 2015年9月授与
『大学生の進路意思決定遅延メカニズムの解明 ―就職イメージを中心概念としたモデルの構築―』
2014年度
大学院 博士後期課程修了 
町 岳 博士(心理学) 2015年3月授与
『グループ学習における授業実践型相互教授の介入効果』
2013年度
大学院 博士学位審査
松本麻友子 博士(心理学) 2014年3月授与
『論文題目反すうによる抑うつの持続プロセスおよび緩衝要因の検討 -反すうの構造・機能に着目して-』
2012年度
大学院 博士後期課程修了
梅本 貴豊 博士(心理学) 2013年3月授与 
『学習方略の動機づけ要因としての方略保有感,方略の認識の検討』
博士課程満期退学
大学院 博士後期課程満期退学 2014年度
金子 功一

大学院博士課程修了生の進路

  • 大学・研究機関
    岐阜聖徳学園大学・南山大学・静岡大学・奈良教育大学・福井大学・三重大学・九州女子大学・京都外国語大学・駿河台大学・神戸親和女子大学・植草学園大学・ 他
  • 公的機関・企業
    法務省職員(Ⅰ種)・法務教官(少年院・鑑別所) 他

博士学位取得者からのメッセージ

名古屋大学での研究生活をふりかえって
赤松大輔 日本学術振興会特別研究員(京都大学)2019年度博士後期課程修了
私は他大学の修士課程の出身で,名古屋大学・中谷研には3年間在籍しました。名古屋大学の教育心理学研究室は,学びの深まりや動機づけの源泉としてピア(ともに学ぶ友人)をはじめとした社会的要因を重視している点に特徴があると思っています。私は名古屋大学での研究生活を通して,こうした社会的要因は研究を行う上でも大事だと感じました。

私は名古屋大学に来て,研究の話を一緒にできる(研究の話が好きな)院生仲間がたくさんいることにまず驚きました。名古屋大学では,ゼミ仲間に加え,同じ院生室にいる他ゼミの方々,臨床心理学専攻の院生さん,(さらにはひとつ向かいの棟の情報学研究科の心理学専攻の院生さん…というように),本当に多くの人が「心理学の研究をする」という共通目的をもって日々の生活に励んでいます。院生はそれぞれ専門が異なっているため,研究に関する話のなかで思わぬ視点から貴重な助言をいただくことがとても多かったです。また,研究外の何気ない会話も,自分の気持ちを充足させる資源となりました。私はもともと「研究は自立(自律)して行うもの」という気持ちが強く,根本的な部分としては今も変わりはないと思います。ただ,名古屋大学の皆さんとの関わりのなかで,たしかに私は研究に動機づけられ,研究内容も深まり,博士課程の修了につながったと思います。名古屋大学に来て,このように充実した時間や代えがたいご縁を得られたことは自分にとって本当に貴重な財産でした。ここでの経験をもとに,今後の研究生活にもいっそう励んでいきたいと思います。

学位を取得することで得られるもの
後藤綾文 岐阜聖徳学園大学教育学部 2019年度博士後期課程修了
学位を取得すると、今までで一番「おめでとう」「頑張ったね」「おつかれさま」と周囲の方が労ってくれます。博士論文を提出した側としては(私だけ?)喉元過ぎれば熱さを忘れてしまっているのですが、周囲の方の労いにより、学位を取得できたことを実感します。ふりかえれば、確かに楽ではなかったものの楽しい3年間でした。

私は、名古屋大学大学院博士前期課程を修了後にカウンセラーや大学教員(任期制)として働いていました。数年働いた後で自分の研究能力をもっと高めたいと思い、博士後期課程に社会人入学しました。今回、博士前期課程在学中から特に優秀でもなく、大学教員の仕事も運だけで就いていただけの私が学位取得できたのはなぜだろうと考えてみました。これらが理由かはわかりませんが、入学後から意識していたこととして、①この3年間は一生懸命に研究に取り組むこと、②働いていることを言い訳にしないこと、があります。

実は「①この3年間は一生懸命に研究に取り組むこと」を妥協せずにやって3年間で実にならなかったら、研究者の道は諦めようと考えていました。そこで、学生便覧に書いてある「学位論文の指導計画」を見て、D3の3月で修了するまでのスケジュールを逆算して立てました。自分と同じ研究分野の研究者の方々や博士後期課程の先輩方の博士論文を読んで、データ収集の時期や投稿論文の掲載時期なども調べて参考にしました。
「②働いていることを言い訳にしないこと」は、自分を鼓舞するために意識していました。むしろ進学後の方が仕事に集中するようになり、研究をスケジュール通りに進めるために先の見通しを持つようになったかもしれません。また、私は何をするにも人より時間がかかるのですが、仕事以外の時間を研究に費やせばなんとか人並みになるはずだと思い、土日は院生室で研究を進めました。気分も環境も学生になりきることで仕事から切り離されて、私は研究に集中できました。

ここまで偉そうに先輩面してしまいましたが、正直スケジュール通りに研究をこつこつと積み上げられたわけではなく、自分に課した締切を1つ1つなんとかこなしているうちに、もうD3だ!修了できそう!修了する!という気合いと勢いで修了した気がします。提出した博士論文には満足できていないですし自信もないです。それでも学位という研究者としてのライセンスを得たことは、自信のない自分にこのまま好きな研究を続けていこうと思わせてくれました。

最後に、名古屋大学大学院の進学を考えている方に伝えたいことは、ここには自分が成長できるチャンスがたくさんあるということです。大学院では研究について語ることのできる同期や先輩、後輩、他の研究室の院生が頑張っている姿があり、読みたい論文のほとんどがすぐ手に入るので、モチベーションを高めることもできます。ぜひ、いろいろな先生方から指導を受け、たくさんの院生たちと議論する中で、研究センスや研究の積み上げ方、研究成果の見せ方を学んでください!

社会人での学位取得

社会が多様化し、また現職に就かれてから研究の必要性や関心を新たにされる方も少なくありません。社会人として専門職をもちながら、博士後期課程で学び、研究を進められて博士学位を取得される方もおられます。

反中亜弓
名古屋少年鑑別所(法務省・法務教官)2019年度博士後期課程修了
修士を修了する年に,博士課程の進学か就職か迷ったことがあり,当時の指導教官に相談すると,現場の経験を持ち,その中にあって研究ができる人になれるといいと言われました。結果,法務技官となり少年鑑別所や刑務所,少年院で心理の仕事をしたのですが,現場に入ってみると,これまで自分が想像していたものとは違う実態があり,自分の研究の意味を見失ったり,現場にとっての研究って何なのかを考えるようになりました。

縁があって,社会人選抜で名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程 に進学させていただき,中谷ゼミに所属しました。社会人なので,構想発表までに研究指導に係る全8単位が取得できていればよく,勤務の都合もあって通常の授業を受ける機会もないので他の院生と交流する機会はほとんどありません。ただ,中谷ゼミは,隔月で1回の休日のゼミが開かれていたので院生や学部学生の方と交流する場があり,学術の上での刺激を受けることはもちろん,若い方と交流できることでキャンパスライフ的な楽しさも経験できました。また,そうした中で現場にいながら研究することの強みを感じ,また,実務の上でも国内外で行われている研究を調べ現場から少し距離を取って見てみるということができたのも面白い経験でした。中谷先生の個別の指導では,自身の研究の独自性やその有用性,発展性を考えさせられることが多くあり,私の中での「現場にとっての研究とは何なのか?」につながる有意義な時間 を過ごさせてもらいました。